文書名店舗付住宅を借上げた場合
文書番号0093
作成日2013/10/05
ジャンル消費税
Ⅰ 事例
A社は九州でラーメン店のチェーン店の店舗展開をしている。このたび関東に自社のラーメン店を出店することになった。
そこで首都圏で土地建物を賃借した。一階がそのラーメン屋の直営店鋪として、二階が九州から派遣した社員の社宅としている。
なお、土地建物の賃貸借契約書には、土地の賃借料と建物の賃借料が区分して記載されている。
A社は、建物部分の賃借料は課税仕入れとし、土地部分の賃借料は非課税仕入として経理処理した。
Ⅱ 取扱い
① 契約書において土地部分と建物部分が区分して記載されていても、全体が建物の貸付けとして課税仕入れとなる。
② ただし、二階部分が従業員の社宅として使用されている。この場合、賃貸借契約において社宅として使用する旨の内容であれば非課税仕入となる。しかし、契約において社宅として使用する旨の記載がなければ課税仕入となる。
家主の立場から
二階部分を社宅として使用する内容の契約をした方が消費税法上有利。契約がなければ全体が課税売上になる。また、土地建物の賃貸を土地部分と建物部分に区分していても、全体が建物の貸付けの対価なので賃貸料の総額が課税売上になる。
Ⅲ 根拠
[1] 課税の対象
国内で事業者が行った資産の譲渡等には消費税を課する。
[2] 資産の譲渡等の意義
事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け、役務の提供をいう。
[3] 非課税
国内で行った資産の譲渡等のうち次の取引については消費税を課さない。
(1) 土地の譲渡、貸付け(貸付期間が1月未満の場合及び駐車場その他施設の利用に伴って土地が使用される場合を除く)
(2) 契約において居宅用とされる住宅の貸付け。
上記事案の場合、建物の使用に伴う土地の貸付けなので、施設の利用に伴って土地が使用される場合に該当し、非課税とはならない。契約書において土地と建物の貸付けの対価が区分されていても全体が建物の貸付けとなる。
社宅の貸付けは住宅の貸付けなので、契約書で明記されていれば非課税となる。しかし、社宅として使用していても賃貸借契約書にその旨の記載がなければ非課税とはならない。
また、会社による社宅の借上げは非課税仕入となる。
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